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【マンションに価値は無い?】マンション選びで要チェックな『3つの価値』について紹介

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マンションを買うとき、売るとき、借りるとき、貸すとき、

そんな時気になるのは、そのマンションの価値ですよね。

でも、マンションの価値は「資産価値」だけじゃないことをご存知でしょうか?

今回はマンション(というか不動産)に携わる際に考える『3つの価値』についてご紹介します。

はじめに

居住者さん

管理会社さん、このマンションの資産価値ってどれくらいあるのかしら

管理会社フロント

さぁ~、どうなんスかね。売値で決まるんじゃないですか?

居住者さん

そう・・・。買った時は5000万円したのに、今は1000万くらいなのよね。

管理会社フロント

いや~、でもマンションの価値って売値買値だけできまるもんじゃないんじゃないスか?

居住者さん

え? じゃあ資産価値以外の価値って、具体的に何があるの?

管理会社フロント

あ、いやぁそれは・・・、『住み心地』とかですかねぇ。ハハハ

居住者さん

・・・・・・。

「日本の住宅は、買った瞬間から目減りしていく。」

日本の住宅事情はそう言われて久しいですよね。

一戸建てなら「土地」をまるごと所有しているのでまだマシですが、マンションなどの集合住宅は、所有者全員で土地を共有していますから、一人あたりの所有割合が低い。

更に土地を『共有』しているため、自分の所有する割合ですら自分ひとりの判断で処分することができず、『資産』としての流動性(売りやすさ・買いやすさ)が低い特徴があります。

一方『建物』の方は、どんなに優れた建物であっても、時間が経つにつれ経年劣化し、どうしても「新築>新旧>中古」という関係性を抜け出すことは難しいとされています。

一戸建てなら、思い切った外装・内装のリノベーションで、新築時と異なるデザインに変えるなどの選択肢があります。

一方マンションは、建物がデカイうえに共有物と言う特徴から、思い切ったデザイン変更は難しく、内装のリノベーションも間取りや水回り(特に雑排水)躯体の位置関係の兼ね合いから、一戸建てほどの自由度はありません。

ぁああ、マンションなんて買っても損するだけじゃない……。

なんて考えている方も多いのではないでしょうか。

確かにマンションの土地・建物の価値は、徐々に下がっていく傾向にあります。

しかし、マンション(に限らず住宅全般)は、「資産としての価値(いわゆる資産価値)」だけでは測れないということをご理解されていますでしょうか。

長年マンション管理をしてきて、たくさんの居住者さん、マンションオーナー、理事会とお付き合いさせてもらった中、マンションの価値について、色々な側面からご紹介いたします。

この記事はこんな人にオススメ

この記事は

  • マンションの価値を『資産価値』しか挙げられない方
  • 自分が住むマンションの価値はどのくらいなのか見直したいと思ってる方
  • 『マンションの価値は?』と聞かれて即答できない管理会社のフロント担当の方

こんな方にオススメです。

これらを知ることで、アナタは不動産(特にマンション)の価値基準を深く知ることができます。

マンションを買いたいとき、売りたいとき、貸したいとき、借りたいとき

色々な場面でこの価値基準を照らし合わせれば、きっと物件選びに迷ったり失敗したりしなくなるでしょう。

お金だけではない、様々な側面から考える『マンションの価値』について深掘りしたいと思います。

それでは、どうぞ!

『マンションの価値3選』の結論

簡単に結論をまとめると、

  • マンションの価値は『資産価値』『使用価値』『人的価値』の3つが挙げられる。
  • マンションの価値を『資産価値』で判断することが多いが、住んでいる者(居住者)にとってはむしろ『使用価値』『人的価値』の方が重要となる。
  • 住まわせている者(賃貸オーナー)にとっても、店子(賃借人)を住まわせ続けるために『使用価値』『人的価値』に目を向ける必要がある。

このようになります。

正直何言ってるかよく分かりませんよね。

それでは内容について、細かく見ていきましょう。

マンションに備わる『3つの価値』

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マンションの価値についてそれぞれ見ていきましょう。

マンションの価値とは?

マンションに限らず、万物あらゆる物の『価値基準』は人によって異なります。

例えば、祭りので店で買ったペンダント。

ある人からすれば、買った金額以上の価値はなく、またある人からすれば、値段の付けられない程の価値を見出している場合がある。

このように、一言で『価値』といっても人によってそれぞれ異なってきます。

それはマンションでも一緒で、同じ物(マンション)でも人によって感じる価値(重視している価値基準)が違っているということを前提のもと、マンションの価値についてご紹介します。

お金が全ての【資産価値】

世間一般で「マンションの価値」と言われればこれ、『資産価値』です。

よく「マンションの資産価値」という言葉が使われていますが、『「お金」としての価値(狭義の資産価値)』なのか、『「それ以外に自分にとって有益なもの」としての価値(広義の資産価値)なのかがごちゃ混ぜになっている場合が多く見受けられます。

今回取り上げる『資産価値』は「どれだけ資産(お金)としての価値があるか(狭義の資産価値)」を指します。

『資産価値』を細かく分解すると、次のとおり。

  1. 取得価値:購入すれば、将来売却(または賃貸)した時利益を得られるか。
  2. 売却価値:売れば当時の買値より高く売れるか。
  3. 運用価値:賃貸して期待する家賃収入が得られるか。

平たく言えば「持っててお金儲けできるか」ということです。

「お金」という物差しで測れるから、万人共通と言っていい価値基準だろうね

万人共通の価値基準だからこそ、売買や賃借するときに一番重要視したいよね

住み心地を考える【使用価値】

『使用価値』には、次のような内容が挙げられます。

  1. 安全性:出入館管理、防犯カメラ、センサー、通報装置などの防犯機器の充実
  2. 利便性:宅配ロッカー、非接触キー等の便利施設の充実
  3. 居住性:周辺にコンビニ、スーパー、病院や勤め先があるか等の立地
  4. 住環境:騒音、振動、匂いの有無や景観、日当たり、周辺の治安等の住環境

いわゆる「住み心地」を考えた価値基準です。

住んでて安心、住んでて便利と感じられるかが価値基準を左右します。

ぶっちゃけ、住んでる人にとってはこの『使用価値』が一番重要で、資産価値など二の次と考える人が多いということを心に留めておきましょう。

そりゃ誰だって、不便で汚くてやかましくて治安の悪いところなんか住みたくないよね。

「居住者にとっては資産価値など二の次」ってのはこういう意味だよ。

賃貸や売却を考えてるオーナーは、金回りと同じぐらいこの事を考えないといけないよね。

全てを根底から覆す破壊力【人的価値】

マンションの『人的価値』という言葉は、みなさんは聞きなれないと思います。

それもそのはず。この言葉は私が作りました。(ググッてもでてこないですよ。)

長年マンション管理に携わっていく中、この「人的価値」というものが、マンション全体に大きく関わってくることを身をもって味わいましたので、今回特別枠として挙げました。

『人的価値』とは次のとおりです。

  1. 隣近所に迷惑者はいないか。
  2. 特定の老人たちがマンション運営を牛耳っていないか。
  3. 管理員が手のつけられない問題児ではないか。
  4. 出る杭を村八分で制裁するような環境じゃないか。

要は、自分にとってヤバイやつがいるかどうかです。

実際の例を挙げればこんな具合です。

  • 近所に精神障害者がいて、奇声を発したり、怪文書を全戸投函したり、電球を盗んだり、出したゴミを漁るなどの迷惑行為を繰り返している。
  • 痴呆症の老人がいて、深夜にピンポンダッシュされたり、エレベーター内で粗相をしたりする。
  • 管理員が出したゴミのチェックをして、分別不足があれば名指しで掲示板に注意書きを貼り出す。
  • 管理員に怒鳴られる。
  • 区分所有者なのに役員になれない。役員になろうとすると激しくバッシングされる。
  • 総会で質問しても無視。
  • ルール通りゴミを捨てても、自分のゴミだけ残っている。
  • 自転車置場の抽選会に呼ばれない。

挙げると反吐が出そうなクソ事案ですが、悲しいことに、これらは実際に起こっているマンションが現実にあります。

この人的価値は、金がどうとか、安全性や立地がどうとか言う以上にやっかいです。人によっては

金や立地なんでどうでもいい! こんなところ居られるか!

と言って、せっかく買ったマンションを二束三文で売り払い出ていった方もいるほどです。

いくら『資産』としての価値が高く、『利便性』や『居住性』が高くても、精神的な平穏が保てないマンションなど、どれほどの価値があると言えるでしょうか

このようなマンションでは、賃貸に回しても長く賃借人が付くことは期待できず、売却時も高値で売れるかどうか怪しいもの。

たとえ高値で売り抜けることができても、売却先から「こんなこと聞いてなかった!」と告知義務違反を問われるリスクがあり、必ずしも資産として安全に運用できるとは言えないでしょう。

そんなの、住んでる人しか関係ないじゃん

と思う方も多いでしょうが、【人的価値】は実際に住む人にかかわるだけでなく、他に挙げた『資産価値』『使用価値』にも関わってくる重要な要素という事をしっかり認識する必要があります。

お金じゃ買えない価値がある

買えるものは、マスターカードで!

マイナスのことしか書いてないけど、マンション内の「コミュニティ活動」は『価値』としてプラスに働くんじゃないの?

と思われる方も多いでしょうが、私は必ずしも『コミュニティ活動がプラスの価値を生む』とは考えていません。

確かにコミュニティ活動(サークルや会合など)は、マンション居住者間の結束を強固にする事も考えられます。

しかし、それは「そのコミュニティ活動=心地よい場所」と捉えられる人に限ります。興味がない方、ご近所付き合いしたくない人にとっては、それは『価値』にはなり得ません

そのような限定的な範囲の人の輪を『マンション全体に影響する価値基準』のいち指標として取り上げるには、少々役割不足と考え、あえて取り上げませんでした。

まとめ!

ここまでのお話をまとめると次のとおりです。

  • マンションの価値は『資産価値』『使用価値』『人的価値』の3つが挙げられる。
  • マンションの価値を『資産価値』で判断することが多いが、住んでいる者(居住者)にとってはむしろ『使用価値』『人的価値』の方が重要となる。
  • 住まわせている者(賃貸オーナー)にとっても、店子(賃借人)を住まわせ続けるために『使用価値』『人的価値』に目を向ける必要がある。

次の記事では

  • これらの価値はどうやってわかるの?
  • これら価値を上げるにはどうすりゃいいの?

この辺を紹介していきます。

ではこのへんで。かわぐちろろでした。

かわぐちろろ の【ろろ余談】

かわぐちろろ

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