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マンション管理ノウハウ

【転職者必見】マンション管理会社フロントのリアルな年収事情を徹底解説

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はじめに

就活中の学生さん

マンションの管理会社に就職を考えてるけど、ぶっちゃけどのくらい給料もらえるんだろう?

転職したい社会人さん

転職活動してるけど、この募集要項ホントに合ってるの?

会社の将来性、実際の仕事の内容、自分の成長寄与度などなど、転職・就職活動をする中で、会社に求めるものはいろいろあるとは思います。

ですが、皆さんが一番気にしていること。それは、ぶっちゃけ

『年収はどのくらいもらえるの?』

『仕事キツくない?』

この2点に尽きるのではないでしょうか。

確かに、自分がどのくらい人間的に成長できるか、社会人として大成できるか、業界でも他業界でも通じるスキルを持つことができるのか、そんなことを夢見て転職・就職活動をしていると思います。

ですが、「ブラック企業」「デフレ社会」「目減りし続ける賃金」「社会保険料の増加」「少子高齢化」「先進国中唯一のマイナス成長」などが叫ばれ、加えて『好転するビジョンが見えない』というダブル役満状態な日本社会。

そんな暗い影を落とす中、将来設計を大きく左右する「就職・転職」を行おうとするとき、よほど恵まれた状況でない以上、殆どの人が「給料」「労働環境」を第一に考えるのではないかでしょうか。

かわぐちろろ

わたしも転職前は年収300万円もいきませんでしたから、転職時は1に「給料」でした。

この記事では、実際にマンション管理会社に10年以上身を置く私の実体験や、他会社フロントからのヒヤリングをもとに、マンション管理業界のリアルな年収事情についてお伝えします。

この記事はこんな人にオススメ

この記事は

  • マンション管理会社に転職希望の業界未経験の社会人
  • マンション管理会社に就職したい就活中の学生さん
  • 他社の動向を知りたいマンション管理会社に身を置く同業者さん

こんな方にオススメです。

ここでは主に「給料」「年収」などのお金に関する面にフォーカスしてます。

この記事を読めば

  • 転職に失敗したくない
  • 就職した後に「こんなハズではなかったのに!」と後悔したくない

きっとアナタはこんな悩みを持つことはなくなるでしょう。

マンション管理会社の仕事内容、会社ごとのヒエラルキー、転職ノウハウについては▼コチラ▼3記事でご紹介してますので、よければご覧ください。

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【悩める人必見】マンション管理会社への転職のコツを伝授 前編~実態編~上がらない給料、給料1カ月分にも満たないのに「あるだけマシ」と恩着せがましく言われるボーナス、毎日追われるノルマ、計算したくもない時間単価。 このご時世、こんな悩みに嫌気がさしてる方は多いと思います。 そんなあなたに、今回は「マンション管理業界への転職」についてご紹介します。...
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それでは、どうぞ!

『マンション管理会社の年収』の結論

簡単に結論をまとめると、

  • 日本の平均収入よりもお給料は多い傾向
  • 未経験でも中途採用は初任給25万円
  • 長く勤めれば年収700万円台はいける
  • だけど当然「入る会社による」ところが多い
  • 「資格手当」「残業手当」でかなりの差が出る

このようになります。

管理会社は休みが取れなくて激務って聞くよ。お給料もらえても休みが取れないなら意味ないんじゃない?

という声が聞こえてきそうですが、

仕事はどうあれ、お給料は多い方がいい!

給料多くなくてもいいから業務が楽な方がいい

など、業務負荷と給与面の平衡は個人個人で判断が分かれるところですので、その辺はご自身で判断してください。

あくまで食うに事欠かないレベル以上にお給料をもらえるということです。

それでは内容について、細かく見ていきましょう。

年収レベルについて

給料水準 ~異業種含めた立ち位置~

まずは公のデータを押さえておきましょう。

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【参照】国税庁 民間給与実態統計調査結果(令和元年)
https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2019/minkan.htm

こちらは国税庁が発表した民間会社の給与実態を調査した結果です。

朱色でマークしたところが現時点で直近のデータは、このようになっています。

  • 男性:平均539万7千円(うち賞与90万6千円含む)
  • 女性:平均295万5千円(うち賞与42万6千円含む)
  • 全体:平均436万4千円(うち賞与70万3千円含む)

次に、業界別ではこのようになっています。

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【参照】国税庁 民間給与実態統計調査結果(令和元年)
https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2019/minkan.htm
  • 【不動産業】勤続年数1~4年 :平均333万4千円
  • 【全14業種】勤続年数1~4年 :平均315万8千円

不動産業(管理も含む)は、概ね全業種の中央値といったところ「可もなく不可もない」といったところでしょうか。

この表の『不動産業』は『開発』『売買』『仲介』『管理』もろもろ全てをまとめてます。
「売ってナンボ」の売買仲介の不動産屋と、ストックビジネスがメインの管理会社とでは、そもそも土俵が違うので、参考程度にしてください。

やっぱりインフラ系、情報通信系は強くて、給料は高い水準だね

逆に小売、農業、サービス業は300万円に満たないし、飲食・宿泊業は200万円にも満たないね。特に農業や全年齢通じて収入がほぼ横ばいなのは、業態の特徴を顕著に表わしてるね。

給料水準 ~マンション管理業界の立ち位置~

転職サイトDODAの平均年収ランキング(2020年12月公開版)では、不動産管理業界の平均はこのようになっています。

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【参考】doda 平均年収ランキング(業種別の平均年収/生涯賃金)【最新版】
https://doda.jp/guide/heikin/gyousyu/#anc_job_06

年収から概ねの月収を計算すると、概算ですが大体このようになります。

  • 20代(年収349万円)⇒月収24.0万円
  • 30代(年収437万円)⇒月収30.1万円
  • 40代(年収496万円)⇒月収34.2万円
  • 50代(年収500万円)⇒月収34.4万円

※国税庁の統計(平均給料・賞与)から、賞与を年2.5ヶ月分相当として計算

実際の給料格差について

ここからは、ホントの実態面についてリアルな話をしていきます。

この記事は、あくまで「業界ではよくこう言われている」という論調を紹介しているだけで、特定の会社を誹謗中傷する意図はありません。
ですので、特定企業の実情を紹介することは差し控えさせていただいてます。

残業代、資格手当がない会社がある

月給とは別に、管理会社のフロント職には資格手当がつくことがあります。

主に次のとおりです。

資格名平均金額(月額)
管理業務主任者10,000円(年額12万円)
マンション管理士5,000円~10,000円(年額6~12万円)

その他、マンション維持修繕技術者、宅地建物取引士、簿記などの資格がありますが、業務に直接関係ない資格や、関係あってもほぼ使わない資格や専門外の資格は、資格手当がつかないケースが殆どです。

この資格手当が「ある/ない」の違いだけで、年収がかなり違ってきます。

多くの会社は資格手当の制度を入れている会社が多いですが、中には無い会社もあるので気をつけましょう。

大手管理会社は大体資格手当があるし、最近『働き方改革』が騒がれるようになって残業代を出さない会社は少なくなってきてるよ。

「資格取得報奨金」として一時金だけ支給して、資格手当がないケースがあるけど、継続的にもらう方がお得だから、一時金制度だけの会社は気をつけた方がいいよ

管理戸数ランキングは幻想

マンション管理会社の規模は、資本金や事業範囲、支店数、従業員数ではなく、一般的に「管理戸数(受託戸数)」で大小区別をつけてます。

2021年現在の管理戸数ランキングは次のとおりです。

【マンション管理会社の管理戸数ランキング】

順位社名受託戸数受託組合数
1日本ハウズイング469,8988,598
2大京アステージ431,6567,635
3長谷工コミュニティ373,7603,658
4東急コミュニティー341,6425,209
5三菱地所コミュニティ334,0744,330
6大和ライフネクスト275,1403,956
7合人社計画研究所223,0434,316
8三井不動産レジデンシャルサービス202,6062,428
9住友不動産建物サービス173,1941,854
10野村不動産パートナーズ166,9762,239
11日本総合住生活161,437752
12コミュニティワン160,6833,248
13あなぶきハウジングサービス131,3472,811
14穴吹コミュニティ110,4912,041
15伊藤忠アーバンコミュニティ106,2431,292
16グローバルコミュニティ101,0282,226
17東京建物アメニティサポート77,6131,178
18近鉄住宅管理68,477750
19ナイスコミュニティー64,5551,213
20レーベンコミュニティ57,190918
21大成有楽不動産57,061752
22浪速管理57,013584
23日鉄コミュニティ52,413588
24ライフボート西洋50,7791,236
25日本管財住宅管理50,172857

2021年版 総合管理受託戸数ランキング【引用元:マンション管理新聞社】

このようなランキングとなっており、受託戸数10万戸を超える会社が、いわゆる「大手」と呼ばれる会社です。

「大きい会社は給料が高い」「小さい会社は給料が低い」

殆どの方はそう思っていることでしょう。

ですが「規模が大きい会社が、必ずしも給料がいい」というわけではありません

マンション管理会社のヒエラルキー

マンション管理会社は、次のようにカテゴリー分けされます。

trophy-businessman財閥系
旧財閥(三井、三菱、住友、安田)系列の管理会社
年収、労働環境、退職金、その他福利厚生など、待遇の諸条件が他の管理会社とは一線を画す。
親会社が分譲したマンションの管理を主軸とし、リプレイス(管理会社変更)は殆ど受注せず、オープン時から管理しているため業務様態(管理仕様)が画一化しているため、独立系と比べかなり仕事がやりやすい。
親会社の意向もあってかコンプライアンスを重視して、特に近年、超過勤務の縮小やサービス残業の撤廃など、労働環境が著しく改善傾向にある。
会社・三井不動産レジデンシャルサービス(受託戸数ランキング8位 202,606戸)
・三菱地所コミュニティ (受託戸数ランキング5位 334,074戸)
・住友不動産建物サービス(受託戸数ランキング9位 173,194戸)

・東京建物アメニティサポート(受託戸数ランキング17位 77,613戸)
デベロッパー系
上記財閥系デベロッパー会社を除いたマンション分譲主系列の管理会社
自社系列で分譲しているマンションを管理しているだけあって、年収、労働環境、退職金、その他福利厚生などはそれなり。ただ、同じデベロッパーの土俵では財閥系ディベロッパーの方がかなり大きいため、待遇面で多少見劣り。(ごく一部例外として財閥系並に高待遇な会社もあり)
会社 ・大京アステージ(受託戸数2位)
・長谷工コミュニティ(受託戸数3位)
・東急コミュニティー(受託戸数4位)
・大和ライフネクスト(受託戸数6位)
・野村不動産パートナーズ(受託戸数10位)

・日本総合住生活(受託戸数11位)
・あなぶきハウジングサービス(受託戸数13位)
・穴吹コミュニティ(受託戸数14位)
・伊藤忠アーバンコミュニティ(受託戸数15位)
・近鉄住宅管理(受託戸数18位)
・レーベンコミュニティ(受託戸数20位)
・大成有楽不動産(受託戸数21位)
・日鉄コミュニティ(受託戸数23位)
busy-woman独立系
その他マンション管理業を基幹業務としている会社。
親会社がデベロッパーではなく「不動産会社」「設備会社」「清掃会社」の派生で管理業務を行っている会社もこれに当たる。
親会社の分譲したマンションを定期的に受注する立場になく、M&Aやリプレイス(管理会社変更)で獲得したマンションが殆どのため、利益率が低く、財閥系、ディベロッパー系と比べて待遇の諸条件が悪いのが特徴。日本の殆どの管理会社がこれに当たる。
会社・日本ハウズイング(受託戸数1位)
・合人社計画研究所(受託戸数7位)

・コミュニティワン(受託戸数12位)
・グローバルコミュニティ(受託戸数16位)
・ナイスコミュニティー(受託戸数19位)
・浪速管理(受託戸数22位)
・ライフボート西洋(受託戸数24位)
・日本管財住宅管理(受託戸数25位)

このように、ランキング上位人でも、いい感じに分散してますね。

俗に高待遇と言われる『財閥系』の会社でも、一部ランキング10位以内に入らないケースがあれば、逆に待遇が見込めない『独立系』の会社でも、ランキング10位以内に入っているケースがあります。

結局どこの会社が給料いいの?

管理会社として安定的な収益を得る手段は『マンション分譲会社(デベロッパー)の子会社』であることです。

そして、同じデベロッパー会社でも、

  • 「高所得者層向けの億ション」「1000戸レベルの大型タワーマンション」「駅近商業施設と併設する大型マンション」を開発・販売している会社
  • 「小中規模のマンション」「安いけど駅から遠いマンション」を販売する会社

どちらが会社の利益が高いかというと、言うまでもなく前者です。

そんな大規模マンションが、定期的に、自動的に、価格競争なく受注できるのですから、独立系のような「価格競争に勝って、管理会社変更で受注するマンション」と比べ、当然高い利益があるわけですから、給料も福利厚生もそれだけ高いことが想像できます。

給与水準の実態としては、概ね次のとおりです。結論から言いまして、上記ヒエラルキーの順でずいぶん変わってきます。

trophy-businessman財閥系
500万~700万円
※手取り月収25万円は固い
賞与:月収4~5ヶ月分
その他:残業代、資格手当など
デベロッパー系
400万~700万円
賞与:月収2~4ヶ月分
(※会社規模でレンジが広い
その他:残業代、資格手当など
busy-woman独立系
350万~700万円
賞与:月収0~3ヶ月分
 ※大手は高いが中小はエグイ…
その他:残業代無しもあり
 ※資格手当がない場合あり

給料が低いところでも、「資格手当」や「営業手当」などで調整している会社もあるので、募集要項の額面だけで判断し辛いところがありますが、概ねこのような傾向にあります。

財閥系なら係長クラスでも年収700万円行くことがありますが、その他デベロッパー系、中小の独立系の場合、(ごく一部の大手を除けば)部長・支店長クラスにならないと年収700万円を超えるのは難しいようです。

ただし『独立系』でも例外として、管理受託戸数上位クラスの管理会社に限っては、財閥系に負けない(むしろ逆に多い)くらいの給料があるところもあるよ

あえて「●●社がいい」とは言わないけど、どこがどんな会社か大体予想がつくよね。
推して知るべし!

まとめ!

まとめるとこのようになります!

  • 日本の平均収入よりもお給料は多い傾向
  • 未経験でも中途採用は初任給25万円
  • 長く勤めれば年収700万円台はいける
  • だけど当然「入る会社による」ところが多い
  • 「資格手当」「残業手当」でかなりの差が出る

繰り返しになりますが、管理会社の給料は、本当に『入る会社によってかなり違う』というのが実情です。

「転職でご自身の給料を上げたい」と思われている方で、マンション管理業界に興味を持たれているアナタ。

別記事に転職ノウハウをまとめた記事を書いてます。

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ではこのへんで。かわぐちろろでした。

マンション管理士かわぐちろろ の【ろろ余談】

かわぐちろろ

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