はじめに
ぁあ~~~~~、ボーナスなしで安月給。仕事もツマラんしスキルにもならん。月のノルマに追われる毎日、こんな会社やってらんねぇ!どこか転職したいよ!
分かるぞ同志よ。だけどロクな社会人経験のないオレなんかがいくところなんてどこにもないさ。
上がらない給料
給料1カ月分にも満たないのに「あるだけマシ」と恩着せがましく言われるボーナス
毎日追われるノルマ
計算したくもない時間単価
このご時世、こんな悩みに嫌気がさしてる方は多いと思います。
でも、転職しようと思っても、どこに行っていいのか分からない。自分に何が向いているのか分からない。
大した学歴や職歴もない、スキルも資格もない、未経験だとどこも取ってくれない。
それ以前に、良い会社に入れるかどうかすら分からない。
だったら今のままで良いと、現状維持バイアスに甘んじて、結局いつもと変わらぬ生活を選ぶ自分。
そんな将来に展望の持てないまま年をとっていいですか?
そんなあなたへの『マンション管理会社』の業界紹介です。
この記事はこんな人にオススメ
- 給料が一向に上がらず、将来設計に不安を感じている社会人の方
- 毎日ノルマに追われて今の仕事に辟易している社会人の方
- 転職したいけど、特に希望の職種がないリクルーターの方
- マンション管理業界に興味があるけど、実際現場はどうなのか知りたい就活生の方
- マンション管理会社に勤めているけど、隣の芝生はどうなのか気になる同業他社の方
こんな方にオススメです。
この記事を読めば、
- 給料が安くて将来に展望が持てない方も、お金の不安を取り除ける。
- 未経験、職歴や学歴がない方も、転職先としての希望が持てる。
- いざ転職するときの準備や心構えが分かり、転職しやすくなる。
こんなメリットがあります。
管理業界に10年以上身を置く私の実験談に基づくお話ですので、かなり実践的でリアルなお話です。
当時年収300万未満と、かなりの底辺の私でしたが、全くの未経験でマンション管理会社に転職し、今やサラリーマンの平均を上回る年収700万円超くらい稼げるようになりました。
これでも、特に珍しくもない部類だそうですよ。
それでは、どうぞ!
『マンション管理会社への転職』の結論
簡単に結論をまとめると、
このようになります。
それでは内容について、細かく見ていきましょう。
マンション管理会社について
マンション管理会社の転職について、まずは業態や特徴についてお伝えします。
特徴の概要
マンション管理業界の特徴は、概ね以下のとおりです。
会社によって多少違いがあるものの、仕事内容についてはあまり大差のないレベルです。
カテゴリ | 特徴(詳細は後述) |
仕事内容 | 接客業だがコンサルタント業に近い ※管理業界はどこも大差なし |
業界ヒエラルキー | ある(待遇や入社難易度がかなり違ってくる) |
待遇(給料) | 業界ヒエラルキーによる |
業務量 | 大なり小なり残業あり |
休み | 土日に仕事あり(出勤した分は振替休日で補填) |
ノルマ | ない。あってもキツくない |
必要な資格 | 管理業務主任者 ※持ってれば転職にかなり有利 |
仕事内容
フロント担当は、主に『分譲マンションの所有者』を相手に仕事をしてます。
マンション管理の担当は『日々の暮らしの相談窓口』という印象が強いですが、問い合わせは殆どなく、仕事の大部分は『理事会』を相手にする業務が殆どです。
法律、保険、その他ルールなどの運用系。建築・設備などの技術系。これらをアドバイスして組織を上手く運用するコンサルタントのような役割が大きいです。
よく『クレーム業界』と言われますが、実際クレームが寄せられる機会はあまりありません。
ポイントをしっかりと押さえておけば、クレームはぐんと減るよ!
逆に、考えなしに仕事をしてたらクレームが来るよ。これはどこの業界でも、どんな仕事でも一緒ね。
仕事内容について、一部ですがより具体的にご紹介しています。
もっと知りたいという方は↓コチラ↓の記事をご覧ください。
業界内のヒエラルキー
悲しいかな、どこの業界も一緒ですが、マンション管理業界にもヒエラルキー(階層構造)があります。
マンション管理業界は概ねこんなカンジです。
財閥系 旧財閥(三井、三菱、住友、安田)系列の管理会社 年収、労働環境、退職金、その他福利厚生など、待遇の諸条件が他の管理会社とは一線を画す。 親会社が分譲したマンションの管理を主軸とし、リプレイス(管理会社変更)は殆ど受注せず、オープン時から管理しているため業務様態(管理仕様)が画一化しているため、独立系と比べかなり仕事がやりやすい。 親会社の意向もあってかコンプライアンスを重視して、特に近年、超過勤務の縮小やサービス残業の撤廃など、労働環境が著しく改善傾向にある。 |
デベロッパー系 上記財閥系デベロッパー会社を除いたマンション分譲主系列の管理会社 自社系列で分譲しているマンションを管理しているだけあって、年収、労働環境、退職金、その他福利厚生などはそれなり。ただ、同じデベロッパーの土俵では財閥系ディベロッパーの方がかなり大きいため、待遇面で多少見劣り。(ごく一部例外として財閥系並に高待遇な会社もあり) |
独立系 その他マンション管理業を基幹業務としている会社。 親会社がデベロッパーではなく「不動産会社」「設備会社」「清掃会社」の派生で管理業務を行っている会社もこれに当たる。 親会社の分譲したマンションを定期的に受注する立場になく、M&Aやリプレイス(管理会社変更)で獲得したマンションが殆どのため、利益率が低く、財閥系、ディベロッパー系と比べて待遇の諸条件が悪いのが特徴。日本の殆どの管理会社がこれに当たる。 |
デベロッパーとは『不動産開発業者』のことで、「土地の仕入れ」「企画・開発」「建築」「分譲」までを主体で取り仕切る会社のことだよ。
『事業主』『売主(うりぬし)』と呼ばれる会社だね
よく「ゼネコン(建築主)」と勘違いされるけど、ゼネコンは『実際に建物を建てる業者』のことで、デベロッパーとは違うよ。
【外部リンク】デベロッパーとは? ゼネコンとの違いや仕事内容について分かりやすく解説
会社ごとのランキングについては、▼別記事▼にてご紹介します。
待遇(給料・ボーナス)
『お給料』や『ボーナス』は、皆さんが最も知りたい事でしょうね。
結論から言いまして、上記ヒエラルキーの順でずいぶん変わってきます。
財閥系 500万~700万円 ※手取り月収25万円は固い 賞与:月収4~5ヶ月分 その他:残業代、資格手当など |
デベロッパー系 400万~700万円 賞与:月収2~4ヶ月分 (※会社規模でレンジが広い その他:残業代、資格手当など |
独立系 350万~700万円 賞与:月収0~3ヶ月分 (※大手は高いが中小はエグイ… その他:残業代無しもあり 資格手当もない場合あり |
給料が低いところでも、「資格手当」や「営業手当」などで調整している会社もあるので、募集要項の額面だけで判断し辛いところがありますが、概ねこのような傾向にあります。
募集要項で「年棒制」を謳っている会社は、まさに「残業代・賞与なし」だから注意しよう
普通「月収」を謳うところをあえて「年棒」を出して、金額が多い印象を見せようとしているから、こんな募集をしてる会社はほぼ『地雷』と言って間違いないよ
業務量・業務レベル
会社によって細かく分かれるのは当然ですが、この業界の特徴として、フロント担当の業務は、
どこの会社も「やってることはほぼ一緒」です。
しかしながら、会社の部類によって担当数や建物の規模が全く違ってきます。
財閥系 担当数:1棟~10棟 1棟500~1000戸以上のマンモス級物件や、超ハイグレードマンション(億ション)、10棟以上の団地型物件を担当する機会があり、件数こそ少ないが、1棟あたりの業務量が多い。 富裕層(社長、医者、実業家など)をターゲットとしており、顧客満足度にかなり重点を置いているため、必然的に高い業務レベルと手厚い対応が求められ、その分細かな業務が多くなる。 小規模マンションの担当の場合でもMAX12~13棟ほど。 |
デベロッパー系 担当数:1棟~14棟 中小デベだと小規模マンションが多く、その分担当数が多くなりがちだが、一部の大手デベロッパーだと1棟500~1000戸以上のマンモス級物件や、超ハイグレードマンション(億ション)を分譲している会社もあり、財閥系と同じ様態となるため担当数のレンジは広い。 |
独立系 担当数:14棟~16棟 基本的に小規模マンションを担当し、大規模マンションを管理しているケースは極めて稀。会社の業態が薄利多売をウリにしているので、一人当たりの生産性を高めるために、多くの担当数を持たせる傾向にある。 必然的に1棟あたりの掛ける手間は少なくなるが、中にはかなりの手間がかかる物件もあるため注意 |
これらをまとめると
- 財閥系:「担当数:小」「手間:大」
- 独立系:「担当数:大」「手間:小(※)」
このような関係性になり、どこの会社も忙しいことには変わりありません。
リプレイス(管理会社変更)で獲得したマンションは、ある種「問題」を抱えていることが多いから、イレギュラー対応を多く求められたりと手間暇かかることがあるよ。
独立系管理会社はリプレイス物件中心に業務してるから・・・。
その辺は「推して知るべし」ね。(※)
ノルマの有無
マンション管理会社でノルマといえば、「修繕工事の獲得」が当たります。
マンション管理会社のメインの収益は、管理組合からいただく『管理委託費』ですが、平成不況とデフレ下での過当競争で管理委託費の値下げが繰り返され、今や殆どの管理会社では管理委託費だけでは事業の継続が見込めない状況です。
そんな中で活路を見出すため、管理以外でのその他の収益(マンションの修繕、リフォーム工事、専有部向けのサブスクリクションサービスなど)の獲得に力を入れており、これがフロント担当のノルマになっているケースがほとんどです。
ですが、マンションの決め事は基本「総会」で決定します。
そして総会は基本「年1回」しかありません。
どんなにフロント担当ががんばっても、ノルマの獲得有無を決定する機会が年1回しかないのですから、会社によって力の入れ具合に違いはあれど、メインは「マンション管理」ですから、そこまで厳しくノルマを追及されることは無いでしょう。
実際「ノルマに追われるのは嫌だから管理業界に来た」という転職民はかなり多いよ
ただ、そういう人は「管理は楽できそうだから」と業界研究もせず入ったケースが多くて、実際やってみると「ノルマは無いけど仕事が多い」と言ってすぐに辞めるケースが多いイメージね
必要な資格
マンション管理業では、多くの知識を必要とします。
特にフロント担当では、マンションがらみの法律(区分所有法、民法、マンション管理適正化法、建築基準法、消防法、水道法etc)や関連指針(国交省のガイドラインetc)を知り、さらにそれらを使いこなす(聞かれたときに答えられる、事例に適用する法律がパッと出るぐらいの頭の回転)必要があります。
ただし、こと『マンション管理業界への転職』を目的とした場合、
ぶっちゃけ「無くてもどうとでもなる」と思って下さい。
これは人事部長から聞いた話ですが、スキル関係は最初から身につけている越したことはありませんが、転職時はむしろ『「能力」よりも「人物像」を優先して採用する』と言っています。
曰く
スキルは後からどうとでもなる
会社で続けられそうか、マンション役員とうまく話ができそうかが大事
だそうです。
マンション管理業をやっていく上での必須資格で「管理業務主任者」があるけど、持ってなくても入れたりするよ!
でも資格を持ってると「業界に入る準備をしてきた、長い期間努力して資格を取ったんだ」と高評価してもらえるから、転職したいなら持っておいた方が絶対いいよ!
詳しくは「中編~採用ライン~」でご紹介します。
まとめ!
まとめると、このようになります。
カテゴリ | 特徴(詳細は後述) |
仕事内容 | 接客業だがコンサルタント業に近い ※管理業界はどこも大差なし |
業界ヒエラルキー | ある(待遇や入社難易度がかなり違ってくる) |
待遇(給料) | 業界ヒエラルキーによる |
業務量 | 大なり小なり残業あり |
休み | 土日に仕事あり(出勤した分は振替休日で補填) |
ノルマ | ない。あってもキツくない |
必要な資格 | 管理業務主任者 ※持ってれば転職にかなり有利 |
ここまで、主にマンション管理業界の労働環境をご紹介してきました。
次の『中編~採用ライン~』では、実際にマンション管理業界に転職するためのコツやポイントをご紹介します。
一旦このへんで。かわぐちろろでした。
マンション管理士かわぐちろろ の【ろろ余談】
次は『中編~採用ライン~』をご覧ください