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【難関資格なのに稼げない】マンション管理士のイラナイ子事情と超現実的な資格活用法を紹介【前編】

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毎年11月第4週の日曜日。

この日はマンション管理業界に身を置く者にとって運命の日。

そう・・・・毎年恒例、

マンション管理士試験の日です。

マンション管理業界、特にマンション管理の最前線に立つフロント社員達にとっては最高峰、かつ最高難易度の国家試験。

『マンション管理といえばマンション管理士』と言われるくらい、結構メジャーな資格です。

ですがこの資格、実のところ、恐ろしく「イラナイ子」扱いされています。

今回の記事は、マンション管理士資格の現実と、その中でも資格を活用していく超現実的な方法をご紹介します。

この記事はこんな人にオススメ

この記事は

  • マンション管理士の資格を受けようと思ってる方
  • 資格を取って自分の履歴書に粕をつけようと考えている方
  • 資格でひと儲けしようと考えている方

こんな方にオススメです。

それでは、どうぞ!

マンション管理士資格の実情

結論から言いまして、マンション管理士の実態はぶっちゃけ次のとおりです。

  • 合格率が低い難関試験なのに稼げない
  • マンション管理士で独立なんて無理(というか無謀)
  • そもそもニーズがない
  • 実は資格がない素人でも仕事ができちゃう
  • マンション管理士の仕事は《管理組合の価値提供》でなく《管理会社への重箱の角つつき》になってるケースが多い

このように、世にある数多の士業(サムライ業)の中でも劣等生じゃないかと思われても仕方のない、そんな資格です。

マンション管理士はどんな資格なのか、なぜ「イラナイ子」扱いなのか、イラナイ子に生きる道はあるのか。

そんな現実をご紹介します。

マンション管理士ってどんな資格?

マンション管理士とは、次のとおり紹介されています。

マンション管理士とは?

マンション管理士とは、マンション管理士試験に合格し、マンション管理士として登録を受け、マンション管理士の名称を用いて、専門的知識をもって、管理組合の運営その他マンションの管理に関し、管理組合の管理者等又はマンションの区分所有者等の相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うことを業務とする専門家です。

公益社団法人マンション管理センター より引用

このように、マンション管理士は「マンション管理の専門家として、マンションの運営の相談に乗る」とあり、いわばコンサルタントのような位置付けとされています。

また、 公益社団法人マンション管理センターでは

マンション管理士が必要な理由は?

マンションの管理を適正に行っていくためには、管理組合の運営、建物等の維持又は修繕等に関する専門的知識が必要となります。しかしながら、管理組合の構成員であるマンションの区分所有者等はこれらの専門的知識を十分に有していないことが多いことから、マンションの区分所有者等に対し、適正なアドバイスを行うことができる専門家が必要です。 マンション管理士制度は、平成13年8月に施行されたマンション管理適正化法において、国家資格として位置付けられています。

公益社団法人マンション管理センター より引用

このように紹介されています。

事実、マンション管理は「民法」「区分所有法」などの法律をはじめ、「管理規約」に準じた運用をしなければなりません。

また、マンションの建物や設備の維持管理を適切に行い、トラブルが発生した時は迅速、かつ正確に状況を把握し、問題を解決することが求められます。

加えて、年間数千万(マンション規模によっては億単位)のお金を1円単位で正確に処理し、帳簿に付け記録し、決算時に年間報告としてまとめる高度な出納処理を行うことが義務付けられ、毎月の管理費・修繕積立金を所有者全員から徴収し、滞納があれば督促し、それでも支払わなかったら裁判を起こす。

などなど、枚挙に暇がないほど業務があり、しかもそれぞれの業務にかなり専門的な知識がないとこなすことができません。

また、マンション管理士が活躍するマンション市場ですが、↓資料のとおりマンション自体が年々右肩上がりで増加の一途をたどっており、市場規模としては十分なパイが期待できます。

国土交通省 分譲マンションストック戸数(令和2年末現在/令和3年6月21日更新)

今のご時世、『コンサルタント』は花形職業です。

しかもマンション管理士の合格率が毎年8%前後とかなりの難易度で、全国的に資格者数も限られており、同業他社をいたずらに増えることがないという、魅力的な市場。

一見すれば、マンション管理士はコンサルタントとしてかなりの需要がありそうな気がしますよね。

ですが、ことマンション管理の構造上からマンション管理士資格はコンサルタントとして役に立たないという実態があるのです。

国家資格としてのマンション管理士の実情

マンション管理士の受験者数と合格者数を見て見ましょう。

年度受験者数合格者数
平成22年20,348人1,524人
平成23年19,754人 1,587人
平成24年18,894人1,498人
平成25年17,700人1,265人
平成26年17,449人1,260人
平成27年16,466人1,158人
平成28年16,006人1,101人
平成29年15,102人1,168人
平成30年14,227人975人
令和元年13,961人991人

このように、受験者数は見事なまでの右肩下がりとなっており、いかに世の中的に必要とされていない資格かが数字で見てとれます。

マンション管理士資格が世に生まれた平成13年(2001年)では、受験者数は96,906人、合格者数は7,213人もいたのに対し、今や受験者数が制度創設当初に比べ85%減の13,961人と、士業で国家資格であるにもかかわらず惨憺たる状況・・・。

なぜ受験者数がダダ下がりかというと、理由は一つ

「資格として使えない」

この実情に世の中(マンション管理業界に携わる人)が気付いていること、これに尽きます。

なぜ使えないのか。世の中から求められない具体的な理由は次のとおりです。

マンション管理士が求められないワケ

前述のとおり、マンション管理士はコンサルタント的な位置付けで国家資格として据えられた資格です。

ですが、、、

  • 日本の分譲マンションのほぼ全てでマンション管理会社を入れていて、その管理会社が管理組合運営補助(コンサルタント的な業務)をしている。
  • 管理会社に加えて、+αでコンサルタントを入れる必要性が薄い。
  • マンション管理士のノウハウや能力は、管理会社のフロントと大差ない。
  • 管理会社のフロントもマンション管理士の資格持ちがたくさんいる。

このような実情があります。そのため

  • もともと管理会社というアドバイザーがいるのに金をかけてまで新たに別のコンサルを雇う必要があるのか
  • マンション管理士個人に管理会社という組織を超えるほどのコンサル力、ノウハウの提供を期待できるのか不透明(入れてみないと分からないリスク)
  • 「比較的難関な国家資格」という肩書があるにせよ、業界の第一線を組織的に進んでいる管理会社と比べ、情報面の優位性があるとは思えない。
  • そもそも管理会社にもマンション管理士がいる。
  • フロント担当が既にマンション管理士資格持ちの場合も多いし、会社組織という後ろ盾がない(いざとなればいつでも逃げられる)マンション管理士を入れることに、むしろデメリットを感じる。

という発想となり、よほど管理会社が体たらくでない限り、マンション管理士をコンサルタントとして雇おうという動きにはなりません。

仮に入れたとしても、マンション側の目的が果たされれば金食い虫以外何者でもなくなりお役御免となるため、継続性も期待できません。

今の日本の分譲マンションの管理体制では、マンション管理士がいなくても十分機能するから、別いなくても問題なく機能してるんだよね。

ごく一部で管理会社を入れていないマンション、俗に言う自主管理マンションがあるけど、それは「管理会社がなくても、組合運営から出納業務や設備保守も全て自分たちで面倒見られる」と割り切ったところだから、運営ノウハウ供与の点で、マンション管理士が入る余地が少ないのよね。

マンション管理士の必要性は?

これだけ こき下ろした ご紹介したマンション管理士資格ですが、もちろん中には実際にマンション管理士としてバリバリ活躍されている方がいらっしゃいます。

【マンション管理士 事務所】で検索されれば結構な数出てきます。

なんだ、マンション管理で食っていってる人もいるんじゃん

と思われる方もいらっしゃるでしょう。

ですが、実態として

  • (正確な統計はないが)マンション管理士の平均年収は400万円程度
  • 独立開業する場合は、ダブルライセンス(建築士など)でないと現実的ではない

このような状況で、他方のブログでもおおむね同様の評価がなされています。

「独立開業する場合は営業次第で年収UPが見込める」と紹介されている転職ブログがありますが、多くの場合既存の管理会社の存在を考慮に入れず

  • マンションは増加の一途を辿っており、マンション管理士としての市場が尽きることはない
  • 殆どのマンションでは専門家を導入しておらず、マンション住民だけでは問題解決を図るノウハウがないため、マンション管理士の入り込む余地は十分にある

このように紹介されていますが、現場を10年以上見ている私からすれば

  • マンションは増加の一途を辿っており、マンション管理士としての市場が尽きることはない
    ⇒市場があっても入り込む隙間がほぼ無い
  • 殆どのマンションでは専門家を導入しておらず、マンション住民だけでは問題解決を図るノウハウがないため、マンション管理士の入り込む余地は十分にある
    ⇒管理会社がノウハウ提供するし、居なくても運営できる
    ⇒自分たちで処理しきれない部分は、その分野の専門家(弁護士や建築コンサルタント業者)を期間限定で雇う方がコストメリットが図れる。

という発想になります。

いくら「マンションの専門家」といえど、細分化すれば「建築・設備」は建築業者や設計士、「法律」は弁護士、「会計」は税理士に頼んだ方がよほど信頼性があり、残念ながらマンション管理士に出番はありません。

RPGで例えるなら「近接戦闘なら戦士や武闘家」「魔法なら魔法使い」「回復なら僧侶」が一番で、中途半端に何でもできる「勇者」は専門分野がないだけ逆に出番がないんだよね

まさにこのとおりね

DD-matrif

まとめ!

前半までの話をまとめると次のとおりです。

  • 合格率が低い難関試験なのに稼げない
  • マンション管理士で独立なんて無理(というか無謀)
  • そもそもニーズがない

後半では

  • 実は資格がない素人でも仕事ができちゃう
  • マンション管理士の仕事は《管理組合の価値提供》でなく《管理会社への重箱の角つつき》になってるケースが多い

この辺の実情を中心に、「食っていけてるマンション管理士の実態」についてお伝えします。

ではこのへんで。かわぐちろろでした。

マンション管理士かわぐちろろ の【ろろ余談】