この騒音……、一刻も早く止んでほしいっっ!!
騒音トラブルに悩まされている方は、常にこんな思いで過ごされているのではないでしょうか。
一刻も早く解決したい。その気持ちは痛いほど分かります。
ですが、騒音にせよ何にせよ、冷静に原因と問題点を分析し、段取りに沿って物事を進めないと、解決するものも解決できず、逆に余計に事態がこじれる危険があります。
人の行動、個人の感覚、個人間での問題、そういった超限定的な枠組みの中で発生した問題です。管理会社や管理組合・理事会などの関係のない他人を巻き込んで自分が困ってる問題を解決させようとするのは、普通に考えてかなり難しいのが現実です。
ただ、自分ひとりの力で解決できないのも事実。
前後半にわたりご紹介するこの記事では、この『無情な現実』を踏まえた上、いかにして他の人の協力を得て騒音トラブルを解決するか、その方法をご紹介します。
※前半記事をご覧になっていない方は ▼コチラ▼
この記事はこんな人にオススメ
マンションの悩み事相談を紹介しているWEBサイトやBlogには「管理会社に相談しよう」「マンションの理事会に相談しよう」と書いています。
ですが、その先の「何をどう相談するのか」「どうしてほしいと頼めばいいのか」という具体的なところまでは紹介されておらず、結局どうすれば解決するのかまで踏み込んでいません。
この記事では、
- 騒音トラブルに悩まされているけど、どうやれば解決するのか分からない。
- これから購入する(引越しする)マンションは、隣近所がうるさかったらどうしよう。
- 「管理会社に相談しろ」と言われるけど、具体的に何をどう相談して、何をしてもらえば良いのかが分からない。
- 直接言ったら角が立つが、直接言わないと解決しない気がする。このジレンマをどうしたらいいのか。
こんなお悩みを持っている方に向けた内容となっております。
- 理事会の付き合いを良くする方法に悩まれている管理会社のフロント担当の方
- エンドユーザーへのアプローチに悩まれている社会人1~2年目の方
- お客さん付き合いに悩んでいる後輩にアドバイスをしたい先輩社員
- 「なんかイマイチなフロント社員」が担当となっているマンション理事会の役員
こんな方にオススメです。
- 騒音トラブルに悩む事がなくなり、平穏な暮らしを問い戻せる。
- 再度騒音トラブルが発生しても、対応方法に迷うことがなくなり早期解決できる。
この記事を読めば、あなたは騒音トラブルに悩まされることがなくなり、かつての平穏な日々を取り戻せることでしょう。
前半記事では『騒音のカテゴリ』『騒音の特性』『騒音トラブルの心構え』について紹介しました。
後半のこの記事では、カテゴリ別の『具体的な解決方法』についてご紹介します。
それでは、どうぞ!
『騒音トラブル解決』の結論
前回の記事の結論をまとめると次のとおりです。
今回の記事では、このような内容となっております。
それでは内容について、細かく見ていきましょう。
マンション騒音要因3選の解決方法
前半記事で、マンションの騒音要因は『建物要因』『環境要因』『人的要因』の3つに大別されることを紹介しました。
ここからは、それぞれの解決方法について具体的にご紹介しましょう。
アナタは『気になってしかたのない騒音』と感じても、他の方からすると「気にするほどのない日常の音」と感じることも多々あります。「受忍限度」は人それぞれ違いますので、全て自分基準に物事を判断されないようご注意ください。
よく騒音トラブルの相談を受けた際
自分は気になって仕方ない! だから必ず解決されるべきだ!
というふうに思われる方が多くいらっしゃいます。(ホントに多い…)
騒音に悩まされてる気持ちは分かりますが、自分本位にならないようご注意を。
問題解決の基本の考え方
騒音問題の解決に当たっては
『騒音を制御できる立場の人』
に対してアプローチするのが基本であり極意です。
そして、あらゆる問題を解決しようとするとき、【原因】【問題点】を明確にした上【改善方法】を考えますよね。マンション騒音トラブルも一緒で、順を追って考えることが基本となります。
- 制御できる人は誰か
- 騒音トラブルは何が原因か
- この騒音トラブルの問題点は何か
- その問題点を解消するためにどんな手段があるか
こういったスキームに沿って問題解決方法をご紹介しましょう。
『建物要因』の解決方法
金属音、重低音、軽量音・・・。建物からの音は色々あります。
マンションの建物・設備に対して制御できる立場の人は『管理会社』です。
騒音の原因が『建物要因』(マンションの設備の音、建物の音)であれば、まず管理会社に問い合わせをしましょう。
色々な種類がありますが、マンションの建物・設備に関わることなら、まず管理会社に相談し、解決をお願いするのが近道です。
- 【相談相手】管理会社
- 【原因】音の原因を管理会社に特定を依頼
- 【問題点】その音自体は問題なのか(許容範囲かどうか)を判断
- 【解決方】設備の改修など
しかし――
いや~、これくらい我慢して下さいよ
今マンションにお金がないんで無理ですよ
なんて言って来ることも考えられます。
その場合、理事会宛に窮状を訴える手紙を出し、解決してもらうよう働きかけするのが近道です。
理事会が動けば、管理会社は動かざるを得ません。
マンションの金、人を動かせる運営側に協力を求め、事態解決に動きましょう。
理事会や管理会社に依頼をする際、一定のルール(コツ)があるよ。それをするかしないかで、実際に動いてもらえるかどうかが分かれるから気をつけてね。
そのコツは▼コチラ▼の記事をみてね!
『環境要因』の解決方法
環境要因とは、主に近隣の店のガヤ、工場からの機械音、学校のチャイム、学生の登下校時の声、踏切、駅のアナウンス、車の走行音(主要道路が近い)など、『周辺の環境から聞こえてくる騒音』を指します。
その騒音を解決したいと考えた際、
- 近隣の店なら、そのお店に。
- 工場の機械音なら、その工場に。
- 登下校時の学生の声なら、その学校に。
という具合に、【相談相手】は、その音を発生させてる対象その者になるでしょう。
しかし、自分ひとりでそのお店なり、工場なり、学校なりに申し出ても相手にされることは殆どありません。せいぜい
あ~、ハイハイ気をつけます
(またコイツかよ、クレーマー風情がうっせーな)
と扱われ、鼻であしらわれるのが関の山です。
ですのでこういう場合、『理事会』という組織の力を頼りましょう。
管理会社を通じ、理事会に「●●の騒音は、マンション全体にとってとても害悪だ。マンションとして改善を要望してくれ」というふうに訴えかけ、組織として動くよう働きかけましょう。
- 【相談相手】管理会社⇒理事会から騒音発生源へ
- 【原因】音の原因を理事会側で取りまとめ
- 【問題点】問題点を列挙
- 【解決】相手を交渉のテーブルに着かせる
お店なり、工場なり、学校なり、周囲の住民あってのものです。
個人個人からの苦情は無視できても、組織からの訴えはなかなか無視できるものではありません。
『環境要因』の騒音は、こうした『組織力』を使って上手に交渉を進めましょう。
一人の声は小さくても、たくさんの声(のように印象付ける方法)だと、相手を交渉のテーブルに着かせることもできるよ!
回り道かもしれないけど、これが一番現実的だね!
『人的要因』の解決方法
『人的要因』の騒音トラブルは、主に「子供の泣き声、走り回る音、住民の騒ぎ声、ペットの鳴き声、TV、音楽などの音響、洗濯機、掃除機の稼働音」など、居住者個人が出す音です。
マンションの騒音トラブルといえばまさにコレ
ぁああああっ!!
上の階の子供の足音がうるさくて寝られない!
隣の犬の鳴き声なんとかならんか!!
そうは思いつつも、「直接言うと角が立つ」「隣近所でイザコザを起こしたくない」と思い、泣き寝入りしている方も多いのではないでしょうか。
「騒音問題解決には管理会社・理事会に相談を」
WEBでの騒音トラブル解決法は、殆どこんな風に紹介されています。
しかしながら、かくいう管理会社・理事会は
- 実際にその音を聞いてない
- どれだけ困っているか体感的に理解できない
- そもそも個人間の問題で管理組合の問題ではない
という理由から『個人で解決する問題で、管理会社・理事会が関わる問題じゃない』として、消極的な立場をとることがあります。
そもそも管理組合(理事会)や管理会社は「マンションの共用部分の管理」をするための団体・会社ですから、騒音などの個人的な問題に、理事会や管理会社がわざわざ取り合う道理はなく、原則としては、あくまでアナタ自身が解決することが必要です。
―――とはいえ、
音を鳴らしてるの人に掛けあっても角が立つ
なんとか丸く収めたい・・・
こう思っている人は多いと思います。
そこで、こんなアプローチ方法をとりましょう。
- まず管理会社に相談。
- 音がする方向の『複数戸』に注意文を配付してもらう
- それでも音が止まないようなら『記名』で窮状を訴える
- それでも音が止まない場合『管理会社を間に挟んで』話し合いの場を設ける
複数戸に注意文を配付
騒音は「聞こえた方向から発生したとは限らない」という特性があるのは、▼コチラ▼の記事で紹介したとおり。
注意書きを配付するにも、1通だけ送ったのなら『その人が騒音の犯人』と決めつけているのと同じです。
当たっていても「何の証拠があるんだ!?」と言われますし、外れていたら目も当てられません。
最初のアプローチにもなりますので、文面は管理会社に相談した上、
- あくまで『一般的な騒音注意の啓発文』と心がける
- 複数人に配付していることを明記する
など、配られた人に無用な刺激を与えず、配られた側にも配慮するような書き方を心がけましょう。
最近騒音が増えてるのね。自分も気をつけなくちゃ
と、受け手をこのような心境にさせるような文章が理想です。
止まない場合は「記名」で
最初の注意文が功をなさなかった場合、記名付きで訴える方法があります。
アナタの名前が入っていることにより、受け手側はアナタの顔を思い浮かべて手紙を受け取りますから、先に配付した『一般的な啓発文』より高い効力が期待できます。
ただしその際には
うっせぇんだよ! 黙れ!静かにしろ!
なんて書いても意味はありません。逆に反感を買うだけです。
拝啓 平素は格別のご厚情を賜り厚くお礼申し上げます。
毎夜9時から11時にかけてドンドンと音がなり困っています。妻は睡眠障害となり、病院にも通うようになりました。当初は精神過敏かと思いましたが、私も妻と同様同じ症状に悩まされ、以前泊まりに来た友人も同じ音を聞いております。
このようなお手紙を受け取られ、大変困惑されているかとは存じますが、もしお心当たりがございましたら、何卒ご配慮いただきますよう宜しくお願い申し上げます。
1001号室 山田次郎
こんなふうに、へりくだりながらも、自分の窮状を訴えるような文面にするのがミソです。
自分の名前を出すのはチョット・・・
と二の足を踏まれる方は、①の方法を繰り返すしかありません。
個人間トラブルなのに、自分の正体を隠したまま解決しようとすると、必然的にできることは限られます。
本当に解決したい問題なら、「自分の姿をさらす覚悟」をもって臨む事も必要です。
それでもダメなら話し合いで
これでもダメなら、面と向かって直接話し合いましょう。
管理会社から伝言させたりする方が多いですが、当の管理会社は騒音に苦しめられている本人ではありませんから、アナタの気持ちになって訴えることなどできるわけがありません。
その人と角が立つのが心配・・・
と思われる人も多いですが、なんだかんだ言って顔を合わせて話すとそんなことはなく、手を変え品を変え色々やったけど、結局これが一番解決の近道だったということが非常に多いです。
でも、直接1対1で話すのはチョット・・・
と心配さえる方は、管理会社に間に入ってもらい話し合いをするよう相談してみましょう。
何度も書いていますが、管理会社や理事会は、個人的なトラブルに関わる謂われはない立場で、トラブルの当事者ではなく、あくまで第三者です。
逆に第三者であればこそ、中立の立場でお話し合いの間を取り持つことができる立場だと言えます。あくまでお願いベースにはなりますが、管理会社に相談して間を取り持ってもらいましょう。
それでも解決しない場合
それでも解決しない場合は、さすがに自力での解決は難しいと思われますので、弁護士なり、警察なり、公的な力を借りて解決に臨みましょう。
そもそも個人トラブルの相談は弁護士や警察(生活相談課)が本業であって、管理会社の役割じゃないんだ。管理会社に協力を求めるときは、あくまで「お願い」という姿勢で臨もう!
「自分は客なんだから、管理会社は協力して当たり前」なんて態度はまさしくパワハラ・カスハラそのものだから注意しよう!
まとめ!
ここまでの内容をまとめてみましょう。
前回の記事の結論をまとめると次のとおりです。
今回の記事では、このような内容となっております。
騒音問題は、マンションで昔から存在する解決し辛い問題です。一朝一夕で解決できるものではありません。
しかし、状況を見極め、コツを踏まえて順序良く進めれば、きっと解決できることでしょう。
この記事で、アナタの騒音トラブルが少しでも解消されることを願います。
マンションにとって静寂は美徳!
ではこのへんで。かわぐちろろでした。
かわぐちろろ の【ろろ余談】
騒音があっても、「お互いさま」の心が大切!